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SEEラーニング:高校生の感情的成長の旅

静かな放課後、教室に集まった20名ほどの高校2年生たちの瞳が期待に輝いています。毎週恒例のSEEラーニングの時間が始まろうとしているのです。この特別な学びの場は、単なる授業の延長ではありません。それは、自己と他者への理解を深め、感情的知性を育む貴重な機会なのです。

感情の扉を開く

セッションは「感情ジャーナル」から始まります。「今どんな気持ち?」というシンプルな問いかけに、生徒たちは静かに内なる声に耳を傾けます。ペンを走らせる音だけが教室に響きます。書き終えると、勇気を出して自分の気持ちを仲間と共有します。この小さな行為が、互いの心の扉を開く鍵となるのです。

意外な発見の宝庫

次に行われたのは、「2つの事実と1つの嘘」というゲームです。一見単純なこの活動が、実は深い気づきをもたらすのです。知っていると思っていた友人の意外な一面に驚いたり、初対面の人との共通点を見つけたりします。そして何より、私たちが思っている以上に、相手のことを知らないという事実に気づかされます。

この気づきは、日常生活における大切な教訓となります。相手のことをもっと知ろうとする姿勢、そして知らないうちに人を決めつけてしまっている自分の傾向に気づくこと。これらの認識が、より豊かな人間関係への第一歩となるのです。

聴くことの力

最後のアクティビティでは、コミュニケーションの核心に迫ります。「話を聞いてもらえていないと感じたとき」と「しっかり聞いてもらえたと感じたとき」、それぞれの場面での相手の行動と自分の思いを探っていきます。

生徒たちは、相手の目線、うなずき、相槌といった細かな反応が、いかに大きな意味を持つかを学びます。そして同時に、自分が人の話を聞くときの内なる感情にも目を向けることの重要性に気づいていきます。

感情的知性の種を蒔く

このSEEラーニングの時間は、単なるスキル習得の場ではありません。それは、自己理解と他者理解の種を蒔き、豊かな人間関係を育む土壌を耕す時間なのです。

一回一回のセッションが、生徒たちの心に新たな気づきの種を蒔いていきます。そしてその種は、やがて彼らの人生を豊かに彩る大樹へと成長していくことでしょう。

放課後のこの特別な時間が、未来を担う若者たちの感情的成長の貴重な糧となっています。彼らの瞳に宿る期待の輝きこそが、この学びの時間がもたらす確かな成果なのかもしれません。